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ハリポタ、ポケモン、みえるひと中心二次創作ブログ。 初めての方はカテゴリー内の「初めに」をお読み下さい。
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D.Gray-man小説。
ティキとイーズ。シリアス、か?
5巻読んだ頃はその内こんな話あるんじゃね?と思ってましたが
今じゃ望むべくも無いですね。

+ + + + + + + + + +
 二輪のヒメウツギ
 
 路地裏の暗がりに、男が一人倒れている。
 もはや何も映さない目の先には、白い布を纏った人間『だった物』が一つ。
 その周りを、ひらり、ひらりと、優雅に舞う宵闇の蝶。
 やがて、若い男―――主が差し出した掌に羽を休めた。
 眼前に転がる御馳走。
 しかし、主が良しとするまで手は付けない。
 あれに血が付くからだ。
 男は骸に近付くと、膝を折り、おもむろにコートのボタンを千切り取って立ち上がった。
 裏に彫られた名前を一瞥し、傍らに浮かぶトランプに目をやる。
 あーあ、またハズレか。
 一人ごちてから、す、と両手を広げると、
「もう良いぞ、ティーズ。」
 言うが早いか、男の体から無数の蝶が飛び立ち、二つの亡骸に群がった。
 匂い立つ命の香。
 男はどこ吹く風と言った様子で、先程のボタンを大事そうに内ポケットにしまった。
 リストにも載ってないし、大して大物って訳じゃないが、あの子にまた土産が出来た。
 マスクで覆われた顔が、美しい装飾を施された銀を受け取り、僅かに綻ぶ様を思い浮かべ、男は金の双眸を細める。
 その笑みは、彼が放った蝶が肉を引き裂き、骨を噛み砕く音が響く中には、ひどく不釣合いなものだった。
 やがて、二つの亡骸が跡形も無くなったのを見届け、踵を返し歩き出す。
 その背中に。
「ティキ。」
 布越しの、少しくぐもった声。
 それを聞き、男はピタリ、と歩みを止める。
 目を見開いて振り向いた先には、見慣れた少年が、見慣れぬ黒いコートに身を包んで佇んでいた。
 その胸元に輝く、銀の十字架。
 偽りの神に選ばれた者の証。
 
「ぎんは、もういいよ。」



ヒメウツギの花言葉:秘密

2007.10.6. 一部加筆修正
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プロフィール
HN:
白波麗
年齢:
1129
性別:
非公開
誕生日:
0894/12/28
職業:
漫画家志望のフリーターにジョブチェンジ
趣味:
絵描き
自己紹介:
別名「マダオ」

先日の会話より抜粋。
白「何かアゴ痛い…」
姉「何かした?」
白「最近の人は飯食ってもあんまり噛まないで飲み込むってよく言うから、物凄い力入れて何回も何回も噛んでから飲み込んだりしてた。絶対それが原因だと思うけど」
姉「それ、ガク関節症じゃない?」
母「だったらひめのん見てれば治るね。ガクが緩んで」
…しばらく患いたい所存。

能天気な性格。
2007年9月5日にしょうもない出会いをしたようだ。
食べるのが大好き。
食べられるものが好き。
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